採用がうまくいかない本当の理由は、求人原稿でも、給与でも、知名度でもありませんでした。
あなたの会社に、「言葉にできる理念」はありますか?
「求人を出しても応募が来ない」
「せっかく採用しても、すぐ辞めてしまう」
「どんな人を採ればいいのか、正直よくわからない」
200社以上の中小企業の支援に携わってきた中で、こうした悩みを持つ経営者に何度もお会いしてきました。
そしてほぼ共通していたのが、「理念が言葉になっていない」という状態でした。
理念がない、というわけではありません。「お客様第一」「地域に貢献する」——そういった言葉は額縁に飾られています。でも、社員に「うちの会社の理念って何?」と聞いたとき、スラスラ答えられる人がどれだけいるでしょうか。
そもそも経営者自身が、自分の言葉で語れているでしょうか。
理念は「飾るもの」ではなく「経営の起点」
少し視点を変えて考えてみてください。
会社が採用をする。評価制度をつくる。給与を決める。社員を育成する。
これらはすべて、
「なぜこの会社があるのか」
「どこを目指しているのか」
という理念・ビジョンから逆算して設計されるべきものです。
たとえば——
「地域の中小企業を元気にする」
という理念を持つ会社であれば、採用で求める人物像も、評価で大切にする行動も、育成で伸ばしたいスキルも、自然と定まってきます。
逆に理念が曖昧なまま採用活動をすると、「とりあえず明るい人」「即戦力」「長く働いてくれそうな人」という漠然とした基準になってしまいます。それでは、会社の方向性と合った人材は集まりません。
ここで、私がご支援の現場で実際に使っている「経営成功の診断マップ」をご覧ください。
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図の左端にあるのが「理念・ビジョン」です。そこから経営方針・中期経営計画・事業戦略へと落とし込まれ、組織戦略・人事戦略が決まり、最終的に採用・配置・育成・評価・報酬といった具体的な人事プロセスへとつながっています。
右側の「採用がうまくいかない」「評価制度が機能しない」といった問題は、すべて左端の理念・ビジョンが曖昧なことが根本原因です。
この流れが一気通貫しているかどうか
——それが、人が集まる組織と、そうでない組織の根本的な違いです。
「理念を変えたら、採用が変わった」企業の現実
実際に支援した企業の話をさせてください。
奈良県内のある建設会社。人当たりが良く、社員からも慕われる社長でしたが、理念は先代から引き継いだもので、「正直、自分の言葉じゃないんですよね」と苦笑いしていました。
求人を出しても若い応募者はほとんど来ない。来ても面接で会社の将来像を聞かれると言葉に詰まる。そんな状態が続いていました。
そこでまず取り組んだのが、理念の言語化です。
「なぜこの仕事をしているのか」
「10年後にどんな会社にしたいのか」
「どんな人と一緒に働きたいのか」
——何度も対話を重ねながら、社長自身の言葉で理念をつくり直しました。
すると求人原稿の書き方も変わりました。
評価基準が整理されました。
面接でも自信を持って会社の未来を語れるようになりました。
結果、求人を出すたびに若手の応募者が集まるようになり、採用した社員が定着し、「人が辞めない会社」へと変わっていきました。
変わったのは求人原稿だけではありません。
経営の「軸」ができたことで、すべてが変わったのです。
「しっくりくる理念」になっていますか?
ここで少し、自分自身に問いかけてみてください。
・今の理念は、先代から引き継いだままではないですか?しっくりきていますか?
・「残りの命(使命)をかけて、これをやっていくぞ!」と思えるような言葉になっていますか?
・読むだけでワクワクし、社員もお客様も巻き込んでいけるようなビジョンがありますか?
理念は、経営者の「想い」を言葉にしたものです。飾るためではなく、毎日の判断の基準として機能してこそ、はじめて意味を持ちます。
採用がうまくいかないと感じているなら、まず求人票を見直す前に、自社の理念を見直してみてください。そこに、すべての答えが眠っています。
まとめ
・採用がうまくいかない根本原因は「理念の曖昧さ」にあることが多い
・理念→戦略→採用・評価・育成・報酬が一気通貫していることが強い組織の条件
・経営者自身の言葉で語れる理念こそが、人を惹きつける最強の採用ツール
株式会社採用と育成では、中小企業の採用・人材育成を支援しています。理念の言語化から採用ブランディングまで、お気軽にご相談ください。

