社員は自分の行き先を選べるようになり、
社長は無理な昇進の判断から解放される。
成果を出した社員に応えたい。
けれど、応える方法が役職しかないとしたら。
無理にマネージャーにすれば、本人も組織も苦しくなる。
降格は本人を傷つけ、退職は戦力を失う。
社員もまた、ほかに道が見えないまま、昇進を目指すしかない。
等級制度は、経営者と社員、両方をその二択から解く。
「報いる道」と「活きる道」を、役職とは別にもう一つ用意する。
等級制度は、一律に「こう作る」というものではない。
会社がどこに向かうかで、作るべき深さが変わる。
まず、今の姿を文字にしてみる。
社員は何人か。一人ひとりの役割と賃金は、どう決まっているか。
昇進や昇給の判断に、自分なりの根拠を持てているか。
この三つが曖昧なままだと、未来の絵も描けない。
そのうえで、この会社は3年後、5年後、どこに向かうのか。
いまの姿と、向かう先。
この二つが重なるところに、自分の会社に合った制度の「深さ」がある。
|
Effect 01
未来を整える
これから入る人、これから昇進する人を、最初から正しい場所に置く。入社時から「マネージャーコース/プレイヤーコース」を話し合える。事故が起きる前に、その人に合う道を一緒に選べるようになる。
|
Effect 02
過去を整理する
すでにミスマッチしている人を、降格でも退職でもなく、コース変更で救う。マネージャーとして苦しんでいる人をプレイヤーコースに戻しても、等級が上位にあれば賃金は下がらない。本人は本来の力を取り戻し、会社は戦力を失わない。
|
会社の中の無理が、すっと解けていく。
未来像が違えば、作るべき制度も変わる。
| タイプ | 賃金レンジ | 昇格基準 | 向く未来像 |
| 等級のみ型 | 連動させない | なし | 家族的な規模を維持 |
| ゆるやか型 | 幅で持たせる | なし | 緩やかな成長 |
| 中間型 | 幅で持たせる | 簡易に文書化 | 地域NO.1、着実な拡大 |
| しっかり型 | 明示する(テーブル化) | しっかり文書化 | もっと大きな場所を見据える |
名称は、業種・文化・年齢層で微調整する。
士業なら「所長/主任」、IT系なら「リード/シニア」、医療・介護なら「師長/主任」、製造業なら「係長/班長」など。
制度は、会社と一緒に成長する。
「等級のみ型」で始めて、数年後に「ゆるやか型」「中間型」へ移行する道もある。最初から完璧を目指さなくていい。
等級制度の設計は、一本の線を引くことから始まる。
役職と等級を、切り離す。
分けてみると、会社の中に2本の道ができる。
マネージャーとして広がっていく道と、プレイヤーとして深まっていく道。
社員は、自分の向きに合わせて選べるようになる。
経営者は、「昇進しか報いる道がない」という縛りから解かれる。
もう一つ、大切な線を引く。
マネージャーコースに進む人の条件は、成績ではなく、MVV体現度。
会社が大切にしている価値観を、体現している人かどうか。
営業成績がトップだから昇進させる——
その発想を、一度手放す。
等級制度は、MVV体現者を育てていく道でもある。
| ベスト | 直属の上司がMVV体現者で、その人が担う |
| 次善 | 社内でMVV体現度が一番高い人が担う(役職問わず) |
| 適任者がいない場合 | 社長が直接担う |
| 補完 | 複数人の同席・多面評価で精度を高める |
等級制度は、賃金とセットで見せて、はじめて動き出す。
等級だけ作っても、社員の行き先にはならない。
プレイヤーコースの人の賃金も、マネージャーコースと同じくらい上げられる設計にする。
ただし、等級を上げる条件は、技能・熟達だけではない。
MVV体現度が、もう一つの条件として同じ重みで置かれる。
| パーツ | 何に応えるか | 動き方 |
| 基本給(等級) | MVV+技能 | ゆっくり、昇格で |
| 役職手当 | マネージャーコースの役職者に、控えめに | 役職に就いたら |
| 賞与 | 期間ごとの貢献 | 年1〜2回の調整 |
| 成果給 | MVV・人事ポリシーに沿って選ぶ | 月々、即応 |
| 各種手当 | 家族・住宅・資格など | 会社の思想で |
同じ等級なら、基本給は同額。
プレイヤーコースを最後まで上がれば、マネージャーコースの最上位と同水準に到達できる。これが「昇進しなくても等級で応える」の本当の意味。
|
内部公平性
等級構造・MVV+技能
(会社の中の整合性) |
外部競争力
同業他社・同エリアの水準
(市場への目配り) |
時代で相場は動くので、定期的な見直しも必要。
|
01
等級は簡単に下げない
降格は最後の手段。まず「昇格停止」で変化を促し、面談を重ねて対話する。
|
02
売上への応え方は
MVV・人事ポリシーで選ぶ 成果給を置くか、置かないか。会社の価値観と人事の方針に沿って決める。
|
03
会社の仲間のための階段
MVVを体現し、一緒に未来を描いていく人のための仕組み。役職にいてMVVから外れている人には、面談を重ねて時間をかけて整え直す。
|
まだの方は、先にそちらを整えてからお戻りください。
| 01 |
4タイプから「深さ」を選ぶ
未来像に合う深さを選ぶ。段階は3段階から始めるのが自然。
|
| 02 |
マネージャーコース・プレイヤーコースに分ける
各コース内は、中小企業なら役職=等級の一体運用でOK。「しっかり型」を目指す段階なら独立の2軸に切り離す。
|
| 03 |
等級の名称と昇格基準を決める
昇格基準は「MVV体現度」と「技能を測る客観指標」の2つをセットで。3年後の経営目標から逆算して数値を決める。
|
| 04 |
賃金を紐付ける
基本給・役職手当・賞与・成果給・各種手当の5パーツで設計。既存社員の現行賃金との整合も見ながら、下がる人が出ないように整える。
|
| 05 |
試しながら育てる
最初から完璧を目指さない。半年〜1年の試行を経て、次の形に進む。既存社員の賃金は維持を基本に、時間で整える。
|
社員は自分の行き先を選び始め、
社長は、無理な判断から少しずつ解放されていく。
人事制度の分類では、「役割等級制度(ミッショングレード制)」の考え方をベースにしています。ただし純粋な役割等級ではなく、中小企業で実装可能な形に整えるため、以下の独自要素を組み込んだハイブリッド型です。
- MVV体現度を昇格基準の柱に据える(役割の遂行度だけでは決めない)
- マネージャーとプレイヤーの2コースを並列に置く(同じ等級なら基本給同額)
- 中小企業は役職=等級の一体運用でOK(大企業のような分厚い職務記述書までは作り込まず、等級ごとの期待役割はワークシートで簡潔に明文化する)
能力ベースの「職能資格制度」(年功化しやすい)でも、職務ベースの「職務等級制度」(運用が重い)でもない、中小企業の実態に合わせた設計になっています。
|
Worksheet
ワークExcel
自社の等級制度を描き起こす作業シート。5ステップに沿って埋めていく構造で、完成イメージまで自動転記されます。
|
AI Prompts
AIプロンプト集
ワーク中に迷ったら、AIに相談するためのプロンプト集。5ステップ+総合プロンプトの全12種類。
|
