求人を出しても応募が来ない?電気工事でクリック率21.23%・4日で内定が出た話

求人を出しても応募が来ない?電気工事でクリック率21.23%・4日で内定が出た話

「先生、うちも求人出したんですけど、全然応募がこなくて……」

ある経営者の方から、こんな相談を受けました。求人サイトに掲載費を払ったのに、クリックすらほとんどされない。応募はゼロ。よく聞くお話ですね。

実はつい先日、長年サポートさせていただいているお客様の採用のお手伝いをしました。しかも今回は電気工事の求人。人手不足・採用難といわれる業種の代表格です。求人サイトの広告費として実際にかかったのは、たったの1万円でした(採用と育成としてきちんとご契約いただいている中での、I社の広告費だけの話ですよ)。

結果を先にお伝えすると――クリック率21.23%、応募率9.68%。求人を見た人のおよそ5人に1人がクリックし、クリックした人のおよそ10人に1人が応募してくれた計算です。20代のとても良い方に出会えて面接・採用まで進み、掲載からわずか4日で求人を非公開にすることになりました。

今日は、この数字が何を意味するのか、そして中小企業が同じような結果を出すために何ができるのかを、実際のデータを見ながらお話ししたいと思います。

目次

「応募が来ない」はあなたの会社だけの問題ではありません

一般的にI社のスポンサー求人では、クリック率3〜5%、応募率(クリックした人のうちの)1〜3%が目安とよく言われているようですね。たとえば1,000人が求人を目にしたとすると、クリックするのは30〜50人。そこからさらに1〜3%しか応募に進まないとすると、応募につながるのはせいぜい1人前後という計算になります。相談を受ける社長の多くが「応募が来ない」とご自身を責めがちですが、「うちだけ来ない」のではなく、そもそも相場自体がこれほど厳しいんです。まずはこの前提を知っておくだけでも、少し気持ちが軽くなりませんか。

たった3日間で、ここまでの数字が出ました

これからお見せするのは、1ヶ月分でも1週間分でもなく、掲載開始からわずか3日間(2026年8月27日〜8月29日)の実績です。

指標数字
スポンサー表示回数146回
クリック数(クリック率)31回(21.23%)
応募数(応募率)3件(9.68%)

一般的な目安をもとに、表示から応募までを通しで計算すると、応募につながる確率はわずか0.03〜0.15%(クリック率3〜5%×応募率1〜3%)。今回は146回の表示で3件の応募、確率にすると約2.05%でした。これは一般的な目安のおよそ14〜68倍という数字です。しかも、そこにたどり着くまでにかかったのは、たった3日間でした。

正直に言うと、採用支援を7年、200社以上見てきた私自身も、この数字を見た瞬間「え、ここまで……?」と声が出るくらい驚きました。プロとして数字は日々見ていますが、それでも素直にすごいと思ったんです。

一般的な目安と比べると、これくらいの差があります

指標一般的な目安今回の実績
クリック率3〜5%21.23%
応募率1〜3%9.68%

表にすると一目瞭然ですね。しかも、この2つの数字は掛け算で効いてきます。クリック率と応募率の両方が高いからこそ、表示から応募までを通しで見たときに、一般的な目安のおよそ14〜68倍という差が生まれるわけです。

たった1万円で、何が起きていたのか

I社のスポンサー求人は、クリックされるたびに課金される仕組みです。予算として1万円を設定していましたが、実際に使ったのは2,633円でした。平均クリック単価は85円、平均応募単価は878円です。

応募が来て採用が決まったタイミングで求人を非公開にしたため、予算をほとんど使い切らずに結果が出た形ですね。

PCとスマホ、応募の「濃さ」が違いました

表示回数クリック率応募率応募数
PC56回23.21%15.38%2件
モバイル90回20.00%5.56%1件

クリック率はスマホもPCも大きな差がない一方、応募まで進んだ割合はPCがモバイルの約3倍でした。じっくり検討して応募する本気度の高い層は、PCで読み込んでいるのかもしれません。だとすれば、原稿は前半のつかみだけでなく、後半の詳細まで手を抜かずに書き切ることが大切ですね。

そして4日目、求人を非公開にしました

3件の応募をいただき、その中のお一人と面接をすることになりました。面接には社長おひとりだけでなく、管理者の方など複数人が同席してくださったのですが――全員一致で「この方はいい」ということになり、その場でほぼ即内定というスピード感でした。掲載を始めてから4日で非公開に切り替えています。

複数の目で見て意見が割れなかった、というのも実は大事なポイントですね。ひとりの感覚ではなく、関わる全員が「いい」と感じられる人だったからこそ、迷いなく決断できたのだと思います。

なぜここまで数字が跳ねたのか

種明かしをすると、これは偶然ではありません。私たち採用と育成が求人原稿をつくるとき、いつも大切にしている考え方があります。

それが「トキメキ求人原稿」です。求人票に書くのは、条件や待遇の羅列ではありません。ヒアリングを重ねて見つけ出すのは、「これ、私のための求人かも……!」「こんな会社、応募しない理由がない!」と、応募する人の心を動かす、たった一言。頭で考えるより先に、心が先に動いてしまう言葉です。そのトキメキ・ワクワクが生まれた瞬間、応募者の気持ちはもう決まっているんですね。

今回、メインに据えたのは「趣味軸」です。条件や仕事内容を並べるだけでなく、「その方が入社したら、実際どんな風に働くのか」が読んだ瞬間にイメージできるところまで、具体的に、具体的に、原稿を磨き上げました。

職場の空気、一緒に働く仲間、日々の景色――頭で「良さそう」と判断するより先に、「あ、これ、自分がそこにいる姿が浮かぶ」と感じてもらうこと。電気工事のように敬遠されがちな業種ほど、この「働く姿の解像度」が応募の決め手になるんですね。

これは「たまたま」ではなく、設計の結果

求人広告は「出せば応募が来る」ものではなく、「誰に・何を・どう伝えるか」を設計するものです。予算をかけるほど数字が伸びるわけではない、という点も今回の結果から見えてきますね。

今回も、費用と手間をかけたのは広告ではなく、その手前の「設計」でした。誰に届けるかを見極め、原稿を磨き込む。この順番さえ間違えなければ、広告費は最小限で足りる――今回の数字は、その何よりの証拠だと思っています。

とはいえ、業種や職種による差はとても大きい

今回は電気工事という、もともと採用が難しいと言われる業種でこの結果です。「難しい業種だから無理」ではなく、「難しい業種でも設計次第で変わる」ということが伝わればうれしいです。

とはいえ、今回の結果は一つの事例であり、すべての求人に同じことが起きるわけではありません。業種や職種によっては、どれだけ工夫しても応募が集まりにくいところもあるのが現実です。この数字を「うちでも必ず再現できる」目標値としてではなく、考え方のヒントとして受け取っていただけたらと思います。

そしてもうひとつ。業種や職種だけでなく、会社そのものの魅力、社長がどこまで「いい会社」を作っているかも、同じくらい大事な要素です。求人原稿の書き方をどれだけ工夫しても、土台となる会社自体に魅力がなければ、長く効果を発揮し続けるのは難しいですね。

「求人の見せ方」を磨く前に、まず「会社そのもの」を磨いていきたいという方は、経営の伴走顧問もあわせて活用していただくのが近道かもしれません。

中小企業が今日からできる3つのこと

  • 求人原稿を「誰にでも当てはまる言葉」から「その人だけに刺さる言葉」に書き換える
  • 条件の羅列ではなく、「入社したらどんな毎日になるのか」が目に浮かぶまで具体的に書く
  • 掲載後はクリック率・応募率を確認し、応募が来たら待たせず面接・決断まで一気に進める

良い人材ほど、早く決まってしまう

今回の会社が20代の方とのご縁をつかめたのは、応募から面接、内定までを一気に駆け抜けたからでもあります。良い人材ほど、他社にも早く決まってしまう。応募が来てからの見極めと決断のスピードもまた、求人の設計と同じくらい大切なんですね。

まとめ

  • 採用難といわれる電気工事の求人で、クリック率21.23%・応募率9.68%を記録(一般的な目安の14〜68倍)
  • 一般的な目安(クリック率3〜5%・応募率1〜3%)を大きく上回った
  • 広告費は予算1万円中、実際の消化は2,633円
  • 掲載4日目には20代の方の採用が決まり、求人を非公開に
  • ただし業種・職種や会社そのものの魅力による差も大きく、万能の正解ではない
  • 大切なのは「誰に・何を・どう伝えるか」を設計すること

求人原稿の書き方ひとつで、応募の数も質も大きく変わります。「うちの業種は採用が難しいから」とあきらめる前に、一度、求人の設計そのものを見直してみませんか。採用支援では、こうした「トキメキ求人原稿」づくりから、応募後の面接設計まで一緒に伴走しています。

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