🎯 はじめに:連休明けの“なんとなく辞めたい”現象
ゴールデンウィークが明けると、毎年のように起こる「なんとなく辞めたくなる」現象。社長や上司からすると「連休で休めたのに、なぜ?」と不思議かもしれません。
でも実は、5月という季節は、“辞めたくなる理由”がいろんな方面から渋滞する時期なんです。
🚨 社員の本音が突き刺さるデータ
🔹 約8割の人が…
「連休明けに会社へ行きたくないと感じたことがある」
🔹 約4割の人が…
「退職や転職を考えたことがある」と回答
これ、もはや“気のせい”ではありません。
5月は、社員の心の中で「ここ、辞めてもいいかも…」がムクムクと芽を出す季節。 会社としても、“気づかないうちに辞められる”リスクが高まる月なんです。
🌿 社員がやる気を失いやすい20の理由とは?
【身体・生理的なもの】
1. 生活リズムが崩れて戻らない
休日に昼まで寝ていたのに、いきなり朝9時に戻るなんて無理がある…。 「社会的時差ボケ」という概念があって、休日と平日の体内時計のズレが大きいほど、倦怠感・集中力低下が起こりやすいと言われています。
2. 脳が「非日常」から切り替わらない
連休中に感じた“解放感”から、急に「業務の山」へ突入。脳にとってはブレーキからアクセル全開へ踏みかえるようなもの。脳科学では、環境の再順応に3~5日かかるとされます。
3. GWで遊びすぎて、実は体が疲れている
帰省、旅行、親戚対応、子どもとの外出…見えない疲労がたまってます。副交感神経が優位になりすぎると、やる気のスイッチが入りにくい状態に。
4. 寝不足+疲労で集中力が出ない
GW明けは“身体は戻っても脳が戻ってない”。前頭葉の機能低下によって、判断力・感情のコントロールが鈍くなるため「もう無理かも…」と感じやすくなります。
5. ポカポカ陽気で副交感神経が優位に
晴れてるのに気だるい。実はそれ、“春眠暁を覚えず”だけじゃありません。春の陽気と低気圧が交互に来るこの時期、自律神経が揺さぶられ、集中力が激減することも。
【心理的・感情的なもの】
6. 「このままでいいのか?」問題
GW中にキャンプ場やリゾートで「なんか、人生このままでええんかな…」と思った人。人は“非日常”でこそ人生を見直す生き物(ライフレビュー理論)。
7. SNSやYouTubeで“別の生き方”を見てしまう
「え、こんな働き方あるんだ」「自分の時間がたっぷりある人っていいな」 → 比較の心理(ソーシャルコンパリゾン)が発動して、自己肯定感がシュンと縮む。
8. 連休との落差で仕事がつまらなく感じる
昨日まで温泉入ってたのに、今日はExcelと向き合ってる自分。 → 快楽順応が起きて、「なんか全部つまんない」と感じがち。
9. やる気が出ない自分に自己嫌悪
「自分、こんなにサボりたい人間だったっけ?」と落ち込む。実はそれ、学習性無力感の入口。自責が深くなると、やる気はさらに遠のいていきます。
10. 上司の第一声が冷たい
「おう、休みボケしてる場合ちゃうぞ」←これ、即アウト。 心理的安全性が壊れると、人は“心のシャッター”を下ろし始めます。
【環境・制度的なもの】
11. 次の祝日が遠すぎる(7月15日・海の日)
連休が終わった瞬間、次の休みは2ヶ月以上先… → 報酬予測が立たないと、脳はやる気スイッチを押してくれません。
12. 連休明けに業務が山積み
メール100件、未読スラック、未処理の書類、溜まった決裁…。 → タスクが見えないと「脅威」として認識され、逃避行動(離職検討)が始まりやすい。
13. 同僚に会いたくない(人間関係のしんどさ)
リモートでほどよい距離だった人間関係が、連休明けに一気に戻ってくる。 → 情緒的疲労がピークに。
14. 春の気圧変化・花粉で体調不良
晴れてるのに頭が重い、眠い、だるい… → それ、気象病の典型です。集中できないのは「根性」では解決できません。
15. 季節性うつ(軽度のうつ状態)
セロトニン不足で起きる春特有の“ふわっと落ち込み”。厚労省も警鐘を鳴らす季節性情動障害(SAD)は、5月に特に出やすいとされます。
16. 新年度の疲れが今ごろ出てくる
4月に頑張りすぎた人ほど、5月に“ガス欠”。 → 適応疲労といって、ピークを越えた後にぐったり来る現象。
17. 「5月病」の言葉が自分を暗示する
「なんかダルいなぁ」→「これが噂の5月病か!」→「やっぱり無理かも…」 → 自己成就予言により、思考が現実化してしまうパターン。
18. 職場の“空気”が重い(みんな無言)
「おはようございます…」→(シーン)→「(あ、今日ダメなやつ)」 → 情動感染が起こり、やる気のない空気が社内を伝染。
19. 上司や経営層が気づいていない
「うちは問題ない」「みんな働いてる」← その“無意識スルー”が危ない。 → 承認欲求が満たされないと、人は静かに距離を取り始めます(マズロー理論)
20. 6月ボーナス前の“最後のひと踏ん張り”心理
「ボーナスだけもらって辞めよかな…」という心理はよくある話。 → 心理的会計の観点では、“一区切り”があると人は決断しやすくなると言われます。
☕ 社長が知っておきたいのは、「引き止め」ではなく「先手打ち」
今こそ、“察する力”を働かせるタイミング
ここまで読んで、「うちの社員にも心当たりあるかも」と思った方。
安心してください。どれも人として自然な反応です。
この時期は「やる気がない人を叱る」のではなく、 気持ちを察して、小さな声かけ・配慮を増やすことが、じつは最大の退職防止策です。
すぐにできる“やさしいアクション”
- 朝の一言「休みどうだった?」
- 小さなゴールの設定「今日はここまででOK」
- メールや会話のトーンを、1段ソフトに
社員のやる気は、豪華な施策じゃなくて、“見てもらえてる感”で戻ってきます。
5月のやる気迷子、会社としては“察する力”が試される季節なのかもしれませんね。
📝 辞めさせないために、まず「気づく」
「うちも社員がぼーっとしてて心配」「辞めそうな空気を感じる」など、お悩みあればご相談くださいね。
社員も社長もラクになるマネジメント、一緒に探っていきましょう。