〜26卒採用が前倒しで進む今、中小企業が知っておくべき採用のリアル〜
「えっ、もう内定もらってるの!?」
2026年卒の学生の動きが、想像以上に早くなっています。
3月末時点で、すでに69.7%の学生が“内々定”を獲得しており、
理系に至っては8割超え(82.8%)というデータも出ています(HR総研×楽天みん就調査)。でも、中小企業の現場ではこんな声もよく聞きます。
■ 「うちは新卒、もう採らなくてもいいかな…」と思う理由
- 教育に時間もコストもかかる
- 採用してもすぐ辞めてしまう
- 求人倍率が高すぎて、応募すらこない
実際、2025年卒の求人倍率は1.71倍(リクルート調査)と高止まりが続いており、
特に地方や中小企業では「募集しても誰も来ない」「1人来たら奇跡」状態も珍しくありません。
それでも――
「新卒を採らない」という選択肢を取る前に、知っておいていただきたいことがあります。
■ 「内定」と「内々定」は違います。実は“言うだけ”ならいつでもOK!
よくある誤解に「内定は10月からしか出せない」というものがありますが、
これは正式な“内定通知書”=労働契約書の話。
実は、
企業が学生に「あなたを採用したい」と伝える内々定は、いつ出してもOKなんです。
内々定(ないないてい) | 内定(ないてい) | |
---|---|---|
定義 | 採用の意思表示 | 法的拘束のある契約 |
タイミング | 3月以前でも出せる | 慣例として10月以降が多い |
効果 | 学生の“囲い込み”になる | 入社確定に近づく |
つまり、「早く採りたい!」と思ったら、3月どころか2月でも、内々定は出せるんです。
■ なぜ“早く伝える”ことが大事なのか?
学生の動きが早い今、内々定が早い=記憶に残る=選ばれやすいという構図があります。
そして、実際に学生が企業を選ぶときに重視しているのは、「企業規模」よりも、
- 自分を大切にしてくれそうか
- 人間関係がよさそうか
- 研修や育成に期待できるか
という“関係性”の部分だったりします。
これは、中小企業のほうが得意な分野かもしれません。
■ それでも「すぐ辞められたら困る」という本音もある
これは本当にその通りです。
ただし、早期離職の多くは
「仕事内容と合っていなかった」「誰にも相談できなかった」「思っていたのと違った」
といったミスマッチや孤独感が原因です。
ここを防ぐには、「内々定後のフォロー」がカギになります。
たとえば
- 社員との座談会
- 家族向け説明会
- SNSやLINEを活用したカジュアルな接点づくり
- 社長とのランチ
など、“人間味”を伝える機会を設けることで、学生の不安をぐっと減らせます。
■ 中小企業にこそ、新卒採用がフィットすることもある
確かに、新卒は育成に時間がかかります。
でも「自社流」に染めやすく、数年後に幹部候補になってくれる可能性も高いです。
中小企業にとっての新卒採用は、“人を育てて会社をつくる”という長期戦。
今の採用市場では、「早く動く」「深くつながる」企業が、良い人材を獲得しています。
■ 内々定は“恋の告白”。早めの「好き」が届く時代です
採用は、恋愛に似ています。
他社に先を越されれば、どんなに良い会社でもチャンスを逃してしまう。
「うちはまだ準備が…」ではなく、
まずは「あなたを採りたい」という想いを、早めに伝える勇気を持ってみませんか?
学生との接点も、内々定のタイミングも、
「うちの会社らしいやり方」で組み立てていけば大丈夫。
小さな会社だからこそできる、
あたたかくて、気配りのある採用を一緒に考えていけるといいですね。