面接で「本音を聞き出したい」と思っているのに、
相手が緊張していたり、よそよそしかったり、
あるいは“用意してきた答え”しか返ってこない
そんな経験、ありませんか?
もしかすると、それは面接官側の“ある一言の不足”が原因かもしれません。
面接の場で求職者に心を開いてもらうために、
実はとても有効なのが、「こちらから自己開示すること」なんです。
■ 自己開示には“返報性”がある
心理学には、「自己開示の返報性」という言葉があります。
これは、
「人は、相手が自分のことを話してくれたとき、自分も自然と話しやすくなる」
という法則です。
たとえば、初対面の人から
「実は私、初めての面接で少し緊張してまして…」
と言われると、「私もです」と返したくなる。
それと同じように、面接でも
「まず社長の方から“自分の言葉で何かを話すこと”が、相手の安心感をつくるきっかけになるのです。
■ ファン化面接®の基本は“見極め”ではなく“安心づくり”
この考え方は、私たち採用定着士が提唱している「ファン化面接®」のベースにもなっています。
面接でいきなり「この人はウチに合うか?」とジャッジするのではなく、
まずは「この会社で働いてみたい」と思ってもらえる“関係性”をつくること。
見極める前に、まず“好きになってもらう”。
その空気づくりに、自己開示はとても効果的です。
■ 面接で社長が話すべき、3つの自己開示ネタ
では、どんなことを話せばよいのでしょうか?
ポイントは、「ちょっとだけパーソナル」「リアルな言葉で」「相手の緊張をほぐす」です。
✅① 社長がこの会社を立ち上げたときの想い
「最初は〇〇に苦労して…」
「この仕事、正直しんどい部分もあるけど、お客さんの声が支えで」
“完璧な成功ストーリー”ではなく、“ちょっとした葛藤”を見せると親しみが生まれます。
✅② 社員との日常のエピソード
「最近あったことでうれしかったのはね…」
「新人の〇〇が、ちょっとした気づきをくれて」
→ 「この会社って、ちゃんと人を見てくれてるんだな」と感じてもらえるきっかけに。
✅③ 面接に来てくれたことへの感謝と、自分の不安も少し
「来てくれてうれしいです。実は、毎回こちらもちょっと緊張してるんですよ(笑)」
→ 上下関係をやわらげて、求職者も「ここなら話していいかも」と思いやすくなります。
■ 自己開示は“弱さ”じゃなく、“信頼を築く力”になる
面接官が少し自分の言葉で話すだけで、
面接の空気はぐっとやわらかくなります。
「この会社、ちょっと人間味あるな」
「社長の話を聞いて、ここで働くイメージができた」
そんなふうに思ってもらえたら、
候補者は、心の中で「この会社に入りたい」と思いはじめます。
それが、ファン化面接®のスタート地点。
■ 面接は、お互いを好きになってもらう場
採用はジャッジじゃなく、関係づくり。
面接は“選ぶ”時間ではなく、“つながる”時間です。
だからこそ、
まずは社長自身が少しだけ心を開いてみること。
その“ひとこと”が、
相手の心をやわらかくし、
「この会社に入りたい」と思ってもらえる原動力になるのです。
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