今日はまさにお花見日和。奈良もぽかぽかとした陽気で、歩くだけで幸せを感じるような一日です。
こんな日は、つい「生きてるだけで幸せだな」と思ってしまいます。
採用支援の現場から見えた“静けさ”
私は中小企業の採用支援を行っている社会保険労務士として、毎日、求人の応募状況をチェックしています。ところが、今日は朝から応募がぴたりと止まっています。「夜にはまた動き出すだろう」と予想してはいるものの、この静けさには思うところがありました。
小春日和の日に、求職者はどう動く?
こんな春の陽気の日、求職者はどう過ごしているのでしょう?
私たちはつい「今すぐ仕事を探さなきゃ!」と切羽詰まって行動している人をイメージしがちです。でも、今日はまさにその逆。
- 今日は天気もいいし、ちょっと気分転換しよう
- 履歴書書こうと思ったけど、また明日にしよう
そんな風に、求職者も自然と心がゆるみ、“今この瞬間の心地よさ”に意識が向いているのかもしれません。つまり、求職者が「必死こいて仕事を探していない」状態です。
小春日和の日に、求職者はどう動く?
こんな春の陽気の日、求職者はどう過ごしているのでしょうか?
企業の現場では、「人が足りない」「応募が来ない」と悲鳴があがる日々。求人広告を出しても反応が薄く、採用活動が思うように進まずに頭を抱えている会社も少なくありません。
そんな中、求職者の多くはどうかというと
実は、“必死”ではないのです。
- 「今日は天気もいいし、ちょっと気分転換しよう」
- 「履歴書書こうと思ったけど、また明日にしよう」
そんなふうに、ふとした陽気に誘われて、転職活動をひと休みする人も多いはずです。
つまりこれは、「追われている」より「選んでいる」状態。
求職者は、余裕をもって行動できる立場にあるのです。
企業が切実に「採用したい!」と感じている一方で、求職者は「自分に合うところがあれば考えてもいいかな」くらいの温度感でいる。
まさに今は、“求職者優位”の構造がくっきり見える時代です。
企業は今、何をすべきか?
「求人を出しても全然応募がない」
「今月の面接予定はゼロ」
「どうしてうちには人が来てくれないんだろう…」
——そんな声を、私も現場で毎日のように耳にします。
応募者ゼロの日が続くと、焦りも不安も当然出てきます。
このままでは現場が回らない。社員の負担が限界。今すぐ採用したいのに、誰からも選ばれていないような気がして、心が折れそうになる——。そういう声、他人事ではありません。
でも、だからこそ、今日のような小春日和の日には立ち止まって考えてみてほしいんです。
「今の求人、本当に“選ばれる求人”になっているかな?」
「うちの会社の魅力って、ちゃんと伝わってるだろうか?」
「忙しさや切実さばかりが前面に出て、応募者の気持ちを置き去りにしていないだろうか?」
求職者が「選べる時代」だからこそ、企業も“選ばれる準備”が必要です。
いま一度、求人の文章や写真、面接時の雰囲気まで見直してみましょう。
採用できない焦りを、企業の“魅力発信力”に変えるタイミングなのかもしれません。
求人の見直しポイント
応募が来ない。どうしたらいいのかわからない。
毎日更新しても反応がないと、「もううちの会社は魅力がないのかもしれない…」と落ち込んでしまう経営者や採用担当の方もいます。
でも、ちょっと待ってください。
求人って、実は“ちょっとした伝え方”で大きく変わるんです。
以下のポイントを、今一度チェックしてみましょう。
- 応募者の心に寄り添った表現になっているか?
→ 「うちで頑張ってほしい」ではなく、「あなたが安心して働ける場がここにあります」と伝える視点になっているか。 - “条件”だけでなく、“雰囲気”が伝わる求人になっているか?
→ 給与や勤務時間はもちろん大事。でも、実は「どんな人が働いているか」「どんな毎日があるか」の方が、今の求職者の心を動かします。 - 「この会社、なんかあったかそう」と思ってもらえる写真やストーリーがあるか?
→ 求職者は、数字より“空気感”を見ています。誰がいて、どう接してくれそうか。そんな情報が、写真1枚、エピソード1つで伝わることがあります。
春は、求職者の心が動く季節
春は、出会いと変化の季節です。
そして、求職者にとっても「今のままでいいのかな」と自分の働き方を見つめ直すタイミング。
企業としては「今すぐにでも採用したい!」という気持ちが強い一方で、求職者の心は少しずつ動いている——そんなズレがあるのが、今の採用市場のリアルです。
だからこそ、応募が少ない日も「届いていない」のではなく、「まだ心が動いていないだけ」だと捉えて、次に備えることが大切です。
焦って応募を追いかけるだけではなく、「来たい」と思われる状態をつくる。
それが、いまの採用活動における最大のポイントだと思います。