見極めポイントチェックリスト付き|中小企業の採用失敗を防ぐには?
「感じのいい人だったのに、すぐ辞めた」
「素直そうだったのに、入社後は指示待ちで何もしない」
「面接では前向きだったのに、仕事になると消極的」
中小企業の採用現場で、こうした“ギャップ”に悩まされた経験のある社長、少なくないはずです。
実はこれ、「いい人そう」に見える人を採ってしまうことが原因かもしれません。
■ 「人柄が良さそう」で採用すると、なぜ失敗しやすいのか?
面接の時間は限られています。
その中で「人柄がよさそう」「話し方が丁寧」などの印象で決めてしまうと、本当にその人が“会社に合うか”は見抜けません。
なぜなら、面接では誰もが“いい人”を演じるからです。
でも会社で求められるのは、「いい人」ではなく、“価値観が合い、行動できる人”。
つまり、
- どんなときに動けるのか
- どんな環境だと力を発揮するのか
- 何を大切にして働きたいのか
こうした“行動の背景にある考え方(=価値観)”こそ、採用時に見ておくべきポイントなのです。
■ 社長が「見極めたつもり」で見逃していること
中小企業の社長は、多忙の中で採用も行っていることが多く、面接が“直感勝負”になりがちです。
でも、その直感での採用が、高コストな離職や現場のストレスにつながるケースもあります。
よくある見落としは以下のようなポイントです:
- 志望動機が「近いから」「なんとなく」で本音が見えていない
- 前職の退職理由を深掘りせず、表面の説明だけで納得してしまう
- 「質問はありますか?」で終わらせて、候補者の思考プロセスを見ない
- 緊張しているから…と本音を引き出す工夫をしない
■ 採用の精度を高めるコツは、「聞き方」にある
大切なのは、“何を質問するか”だけでなく、“どう聞くか”。
たとえば同じ「前職で苦労したことはありますか?」という質問でも…
✖ 質問だけして、答えに「ふむふむ」とうなずくだけ
◎ 答えた内容に対して「そのとき、どう対応しましたか?」「周りの人はどう感じていましたか?」と行動と思考のプロセスまで掘り下げる
このように質問を「深掘り」することで、その人の行動傾向・価値観・職場でのクセが浮かび上がってきます。
■ 面接官用「価値観&行動傾向を引き出す質問チェックリスト」
以下は、面接で“人柄の奥にある行動特性”を見抜くための質問リストです。
気になる候補者がいたら、この中から2~3個でも投げかけてみてください。
🔍【価値観を引き出す質問】
- 「これまでの職場で、自分が“合っていたな”と思う環境はどんなところでしたか?」
- 「逆に、“ちょっとやりにくかった”と感じた職場はどんな雰囲気でしたか?」
- 「上司や先輩に、どんな接し方をしてもらえると働きやすいですか?」
- 「どんなときに“やりがい”を感じますか?」
- 「仕事で最も大切にしていることは何ですか?」
🔍【行動傾向を引き出す質問】
- 「前職で困ったことがあったとき、最初にどう行動しましたか?」
- 「一番うまくいった経験は? そのとき、自分が意識していたことは?」
- 「期限が迫っている仕事と、突然のトラブルが重なった場合、どう優先順位をつけますか?」
- 「わからないことがあったとき、どのタイミングで誰に相談しますか?」
- 「チームでの仕事と、ひとりで進める仕事、どちらがやりやすいと感じますか?」
■ 採用は“選ぶ”だけでなく、“見抜く力”が必要な時代へ
採用の失敗は、会社にとってはコストですが、採用された側にとっても不幸なミスマッチです。
「いい人そうだった」ではなく、
「うちの会社に合う人だったかどうか」を見極めることが、
離職リスクを下げ、現場の空気を守る第一歩になります。
このチェックリストは、印刷して使ってもOKです。
面接前にサッと目を通すだけでも、あなたの“直感”にひとつ深みが加わるはずです。
今後もこうした「そのまま使える採用ツール」を紹介していきますので、よければ他のブログもぜひご覧くださいね。
▶️ 社長と社員の「期待のズレ」checkリスト