「うちは風通しもいいし、社員とのコミュニケーションもとれてるつもりなんだけど…」
それでも、社員が突然辞めてしまう。
その理由、もしかしたら“コミュニケーション不足”ではなく、“期待のズレ”かもしれません。
■ 伝えているつもり × 伝わっていない現実
多くの社長は、日々社員に声をかけ、指導もし、成長を願って接しています。
でも、社員側に聞いてみると、こんな声が返ってくることもあります。
- 「何を求められているのか、正直よくわからない」
- 「頑張っても、何が正解なのか不安になる」
- 「ちゃんとやってるつもりなのに、ダメ出しされた」
ここには、“コミュニケーションの量”の問題ではなく、価値観や期待の「方向性」がズレているという本質があります。
■ なぜ“期待のズレ”は起きるのか?
社長と社員では、そもそも立場・視点・背景がまったく違います。
だからこそ、
- 社長:「これは当然わかっているだろう」
- 社員:「それ、言われてないです」
というすれ違いが、日常的に起きているのです。
特に、小さな会社やチームでは“空気感”や“暗黙の了解”で動く場面が多く、
ズレが大きくなりやすい傾向にあります。
■ あなたの会社は大丈夫?
社長と社員の「期待のズレ」checkリスト【10問】
以下の10の質問をチェックしてみてください。
3つ以上「No」または「わからない」がある場合は、離職予備軍が社内にいる可能性が高いかもしれません。
1. 社員は、自分に求められている成果・行動を明確に理解している
Yes / No / わからない
2. ミスや失敗をしても、「安心して報告できる」空気がある
Yes / No / わからない
3. 社長自身の“こだわり”や“譲れない価値観”を、社員に共有している
Yes / No / わからない
4. 「ありがとう」や「助かったよ」などの承認の言葉を、日常的に伝えている
Yes / No / わからない
5. 社員が「今の自分の評価」を知っている(=曖昧になっていない)
Yes / No / わからない
6. 社員は、自分の意見や提案を“安全に”出せると感じている
Yes / No / わからない
7. 面談や日々の会話で、「プライベート」や「人生観」にも少し触れている
Yes / No / わからない
8. 「なんとなく雰囲気で伝わるだろう」で指示していない
Yes / No / わからない
9. 社員にとって、“自分の存在が会社に必要だ”と感じられる場面がある
Yes / No / わからない
10. 社員の「理想の働き方」や「将来の希望」を社長は知っている
Yes / No / わからない
■ 3つ以上「No」があった方へ
社員との“すれ違い”は、言葉の足りなさではなく
「価値観の共有」や「期待の確認」が不足している状態です。
私たちが現場でよく目にするのは、「いい人だったのに、いつの間にか辞めていた」というケース。
本人が離職を決断する前に、社長ができることは本当はたくさんあるんです。
■ ズレを可視化するツールも活用しよう
このような“期待のズレ”に気づくために、私たちは「価値観マッチングシート」を導入しています。
これは、面接や面談時に「どんな働き方を大切にしているか」「何を苦手と感じているか」など、社員本人の言葉で可視化できるツールです。
▶️たとえばこちらの記事では、社労士事務所の事務職員向けのシートも紹介しています:
👉 価値観マッチングシートの記事はこちら
社長と社員が、お互いの“価値観”や“期待”をすり合わせられたとき、
辞めない会社づくりは、グッと加速します。
一方通行ではない関係を築くために、まずは「ズレに気づくこと」から始めてみませんか?