「あいつは期待してたのに、まさか辞めるとは…」
「真面目で優秀だったから、うちの未来を任せようと思ってたのに…」
そんな“惜しい退職”に心を痛めたことがある社長は、少なくないはずです。
しかも最近は、「問題児」ではなく“できる若手”ほど辞めていくという現象が起きています。
「うちは育成に力を入れている」「働き方改革もやっている」――そう自負している会社でも、突然の退職願に驚かされるケースは多発中。
いったいなぜ、光る人材が会社を去っていくのか?
そこには、「できる人」だからこそ抱える葛藤と時代の価値観の変化が関係しています。
「できる若手」が辞める理由、あるある3選
① “成長欲求”が満たされない
優秀な若手ほど、「この環境で自分はどこまで成長できるのか?」を常に感じ取っています。
「期待されてる」こと自体は嬉しいけれど、その期待が仕事の量ばかり増えるだけで、スキルアップや裁量にはつながらないと感じたら…
「このままじゃ自分が停滞する」と判断し、辞める選択をとるのです。
しかもZ世代は「時間=命」感覚が強く、遠回りに見える環境からは早めに離脱します。
② 「期待」に“圧”を感じている
社長や上司にとっては「期待してるからこそ、いろいろ任せてる」つもりでも、
本人にとってはそれが**“プレッシャーの塊”**になっているケースも多いです。
「○○さんがいないと困るよ」
「これ、君ならできると思って」
こういった言葉が、無意識の“依存”や“逃げられない空気”として伝わってしまい、
責任感の強い若手ほど「逃げるしかない」と感じてしまうのです。
③ 会社の“未来”が自分とリンクしない
最近の若手は、会社を「安定の場」として見るのではなく、「共に夢を叶えるチーム」として見ています。
そのため、会社のビジョンが語られない、または社長の言葉が遠い存在に感じると、
「ここにいてもワクワクしない」
「別の場所の方が、自分の使命を果たせるかも」
と考え、転職や起業を選ぶことも。
若手社員の“退職予兆”はここに出る
意外と多くの社長が見逃してしまう「予兆」があります。それがこちら
- 「相談が減った」
- 「Yesマン化した(反応が薄い)」
- 「雑談にのってこなくなった」
- 「仕事が丁寧すぎる or 完璧主義化」
これは、“辞めよう”と決めた後に出る特徴とも言われます。
辞意を固めた社員ほど、冷静かつ淡々と振る舞うのです。
感情的に辞めたいわけではなく、“静かに去る”タイプは、むしろ優秀な人材に多い傾向があります。
社長にできる3つのこと
じゃあ、どうすれば“惜しい退職”を防げるのか?
① 成長の「筋道」を言葉で見せる
「この会社で、あなたはどんな風に成長していけるのか」
「今の仕事が未来にどうつながるのか」
を具体的に伝えることが、優秀な若手にとって何よりのモチベーションになります。
② 「期待」より「応援」の言葉を
プレッシャーになる“期待”ではなく、背中を支える“応援者”の立ち位置で関わるのがコツ。
「任せたいと思ってるけど、困ったら何でも言って」
「まずは楽しんでやってくれたらそれで十分!」
そんな声かけが、若手の心の安全につながります。
③ 社長の「夢」をもっと見せていい
若者は、会社そのものよりも「誰と働くか」にワクワクします。
社長がワクワクしている姿を見せれば、社員もそのエネルギーに引っ張られるんです。
「残ってほしい人ほど辞める」時代に、どう向き合うか?
もはや、「石の上にも三年」では若者の心は動きません。
でも、だからこそ――
“この会社にいたい”と思わせられる企業は、どこよりも強くなる。
できる若手が「ここで働き続けたい」と思う会社は、
共に夢を語り合い、信頼でつながり、変化を楽しめる場です。
社長のあなたがワクワクしていると、
そのエネルギーが自然と周りに伝わります。
人は、“夢に向かっている人のそば”にいたくなるのです。
今辞めようとしている誰かに、
「ここで働いててよかった」と心から言わせられる会社を、
一緒につくっていきませんか?