ジェンダー・ギャップ指数118位…なぜ日本の職場は世界から遅れているのか?

ジェンダー・ギャップ指数118位...なぜ日本の職場は世界から遅れているのか?
目次

1. 日本のジェンダー・ギャップ指数は世界118位!驚くべき現実

毎年、世界経済フォーラム(WEF)が発表するジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index)。この指数は、経済・教育・健康・政治の4つの分野における男女平等の度合いを数値化したものです。

2024年の調査によると、日本の順位は146カ国中118位と、先進国の中で最低レベル。特に、経済・政治の分野で大きく遅れていることが明らかになっています。

日本のジェンダー・ギャップ指数の詳細(2024年)

参考:男女共同参画局HP

経済分野(女性の雇用・賃金・管理職比率):120位

教育分野(識字率・就学率):46位

健康分野(平均寿命・出生比率):60位

政治分野(女性議員・閣僚比率):135位

G7(主要7カ国)の中では最下位であり、日本は男女平等の実現が極めて遅れている国の一つなのです。


2. なぜ日本はここまで遅れているのか?

(1) 女性管理職・役員の少なさ

日本の女性管理職比率:約15%(OECD平均は約35%)

日本では、企業の管理職や経営層に占める女性の割合は徐々に増えているものの、依然として低い状況が続いています。

  • 日本の女性管理職比率:約15%(OECD平均は約35%)
  • 上場企業の女性役員比率:約12%(アメリカは30%以上)
  • 政治分野では、女性国会議員の割合が約12%(世界平均は約26%)

以前と比べ、女性のキャリア志向が強まり、企業側も積極的に登用を進める動きが出てきています。しかし、管理職のポジションは依然として男性中心の傾向が強く、「管理職は男性が適任」「女性は育児と両立しやすいポジションがよい」といった意識が無意識のうちに残っている企業も少なくありません。

こうした価値観の変化が進む中で、女性が管理職や経営層に進出しやすい環境を整えることが、さらなるジェンダー平等の鍵となっています。

(2) 育児・家事負担の偏り

日本の共働き家庭では、女性が家事・育児の大部分を担っているのが現状ですが、徐々に改善の兆しも見え始めています。

  • 男性の育休取得率は約18%(政府目標の50%には届いていない)
  • 共働き世帯でも女性の家事・育児時間は男性の3〜4倍
  • 「子どもがいると昇進しにくい」という女性への暗黙のプレッシャーは残るものの、柔軟な働き方を導入する企業は増加傾向

こうした変化により、結婚や出産を機に仕事を辞める女性の割合は以前より減少しつつあります。しかし、依然としてパート・派遣など非正規雇用を選ぶ女性が多く、キャリア形成が妨げられるケースはまだ多いのが現状です。

(3) 男女の賃金格差

日本の女性の平均月収は、男性の約75%にとどまっています(OECD調査)。

2023年のデータでは、

  • 男性の平均月収:35万900円
  • 女性の平均月収:26万2,600円

※いずれも正社員・正職員の平均。

男女の賃金格差が大きい背景には、いくつかの要因があります。

  • 女性が低賃金の職種を選ぶ傾向がある
    • 日本では、事務職や接客業を希望する女性が多く、賃金の高い建設業やトラック運転手などの職種を選ぶ人は少ない。
    • 一方、欧米では女性の進出が進み、技術職や管理職に就く割合が日本より高い。
  • 非正規雇用の割合が高い
    • 日本の女性の約55%が非正規雇用で働いており、これは欧米よりもはるかに高い割合。
    • 欧米では、パートタイムでも正規職に移行しやすい制度が整っているが、日本では非正規から正規雇用への転換が難しい。
  • 同じ仕事でも女性の給与が低く評価されがち
    • 日本では、女性が管理職に昇進する機会が少ないため、長期的な給与の伸びが抑えられる。
    • 欧米では、透明性のある評価制度を導入し、同じ職務なら男女同じ賃金を支払う企業が増えている。

近年、特に若い世代を中心に、「男性が家計を支えるべき」という価値観は薄れつつあり、夫婦やカップルで収入を分担する考え方も一般的になりつつあります。
その一方で、職場環境や企業文化の変化が追いついていない部分も多く、女性のキャリア形成が妨げられる要因は依然として残っています。

こうした背景から、女性の高収入職への進出は遅れがちであり、賃金格差の解消にはさらなる制度改革と意識改革が求められています。

3. でも、これは企業にとって「逆転のチャンス」でもある

ここまで見ると、「日本はやっぱり遅れている…」とネガティブな気持ちになりがちですが、実は、企業にとっては大きなチャンスでもあります。

なぜなら、まだまだ活用されていない優秀な女性人材が多く眠っているからです。

人材不足に悩む中小企業こそ、女性を活用することで競争力を高めることができます。

では、実際に女性活用で成功した企業の事例を見ていきましょう。


4. 女性活用で成功した企業の具体例

① 製造業:町工場の女性職人が品質を向上させた例

愛知県の町工場では、男性中心の職場で人材確保が難しくなり、女性職人の採用を開始。

結果として…
細かい作業が得意な女性が増え、製品の品質が向上!
「女性が活躍できる会社」として評判が広まり、応募数が増加!
職場の雰囲気が改善し、社員の定着率が向上!


② 営業職:女性が活躍するケースが増加

かつては「長時間労働」「土日も稼働」「体力勝負」といったイメージが強かった営業職ですが、最近では女性営業がトップセールスとして活躍するケースが増えています。

ある都内の企業では、営業職の人材不足を解消するため、フレックスタイム制度、テレワークや成果報酬型の評価制度を導入。これにより、女性が営業職に参入しやすい環境を整えました。

結果…
女性営業の採用が進み、成果を出す人材が増加!
顧客との関係構築が得意な女性営業が成約率を向上!
営業職の多様性が生まれ、組織のパフォーマンスが向上!

「営業は男性が長時間労働する仕事」という固定観念が崩れつつあり、柔軟な働き方を取り入れた企業ほど、女性の営業職が活躍しやすい環境を整えているのです。


5. 企業が今すぐできる「女性活用」戦略

フレックスタイム・リモートワークの導入
✔ 育児と両立しやすい環境を整えると、優秀な人材が集まりやすい。
✔ 男女問わず働きやすい職場になることで、離職率が低下。

女性管理職を増やすための制度改革
✔ 「女性は管理職になりづらい」という無意識の偏見をなくす。
✔ 昇進の基準を明確にし、女性が挑戦しやすい環境をつくる。

女性目線のマーケティングを活用
✔ 女性の購買行動に合わせた商品・サービス開発を行う。
✔ 女性ターゲット市場は拡大しており、ビジネスチャンスが多い。


6. これからの企業は「女性を活かす」ことが生き残りのカギ

日本のジェンダー・ギャップ指数はまだまだ低いですが、それは「これから伸びしろがある」ということ。

企業の成長戦略として、女性の活用は最も効果的な手段のひとつです。

今こそ、女性の力を最大限に活かし、会社の未来を変えるタイミングではないでしょうか?

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