悪魔の囁きに負けるな!社長が本当に善い決断をするための思考法

「この取引、ちょっとグレーだけど…まあ、儲かるしやっておくか。」

「社員には言わないでおこう。だって面倒なことになるし…。」

そんな風に、一瞬でも心が揺らいだことはありませんか?

稲盛和夫さんの経営哲学の中でも有名な「動機善なりや、私心なかりしか?」という言葉は、経営者がどんな決断をすべきかをシンプルに示している究極の問いです。

しかし、実際の経営では、利益や競争、立場などが絡み合い、「善い動機」だけでは済まされない場面も多いのが現実です。

では、社長が本当に善い決断をするためには、どうすればいいのか?

心理学的な視点も交えながら、具体的な事例とともに解説します。


目次

1. 「悪魔の囁き」はなぜ起こるのか?— 認知的不協和の心理

「ちょっとくらいなら…」

「他の会社もやってるし…」

こんな風に自分を正当化してしまうのは、心理学でいう「認知的不協和」という現象によるものです。

これは、自分の行動と信念にズレがあるときに、その違和感を解消しようとする心の動きです。

📌 事例①:「バレなきゃいいか?」の落とし穴

ある経営者Aさんは、会社の利益を出すために、少しずつ経費を水増しするようになりました。

「このくらい、誰でもやってることだし…」

最初は小さなズルだったものの、次第に額が大きくなり、いつの間にか会社の経営方針そのものが歪んでしまいました。

解決策:「決断の基準」を持つ

  • 「この決断は10年後の自分に胸を張れるか?」と問いかける
  • 「この選択は社員や顧客に誇れるか?」を考える
  • 「動機善なりや、私心なかりしか?」を常に自問する

2. 「私心」はどこから生まれるのか?— ロスアボイダンスの心理

「この決断をすると、自分が損をするかも…」

このように、「損失を避ける心理」が働くことで、社長の判断がブレることがあります。

📌 事例②:「値上げすべきか?」の葛藤

B社の社長は、原価の高騰により、どうしても価格を上げる必要がありました。

しかし、

「値上げしたら、お客さんが離れるかも…」

「競合より高くなるのはマズイ…」

と悩み続け、結果的に値上げをせず、利益率が下がり続けてしまいました。

解決策:「本当に守るべきもの」を明確にする

  • 「短期的な損失」と「長期的な利益」を比較する
  • 値上げすることで、社員や会社を守れるかを考える
  • 動機が「恐れ」からくるものではないか?と自問する

3. 「動機善なりや、私心なかりしか?」を貫くと、利益もついてくる

「動機善なりや、私心なかりしか?」という問いは、一見すると綺麗ごとに聞こえるかもしれません。

しかし、実際には「私心を捨て、善い決断を続けることが、結果的に最も利益を生む」 ということが、多くの成功した経営者の共通点です。

📌 事例③:「顧客第一か、利益第一か?」の選択

C社は、納期ギリギリの中、質の低い商品を納品するかどうかの決断に迫られました。

「クレームが出る可能性があるけど、とりあえず納品してしまおうか…」

しかし、社長は「動機善なりや、私心なかりしか?」を自問し、納期は遅れるが、品質の高い商品を納品することを選択。

結果として、顧客からの信頼が増し、長期的な取引につながりました。

解決策:「短期的な利益」より「長期的な信頼」を選ぶ

  • 利益よりも、まずは誠実さを優先する
  • 動機が「お金」だけになっていないかをチェックする
  • 一時の楽な選択より、長期的に正しい選択をする

4. 社長が決断するときのチェックリスト

では、社長が「本当に善い決断」をするために、日々の判断基準をどう持つべきか?

① 10年後の自分が「良い決断だった」と言えるか?
② 社員や顧客に堂々と話せる決断か?
③ 恐れや損失回避ではなく、前向きな動機から出た選択か?
④ 「動機善なりや、私心なかりしか?」を問うた上での決断か?

このチェックリストを基準にすることで、「悪魔の囁き」に流されない社長の決断力を鍛えることができます。


「悪魔の囁き」に負けず、本当に善い決断をしよう!

「動機善なりや、私心なかりしか?」

この問いは、経営だけでなく、人生のあらゆる場面で役に立ちます。

長期的に信頼される会社を作るために、善い動機を持つ
利益だけでなく、誠実さを大切にする
決断の基準をしっかり持ち、迷ったら原点に立ち返る

短期的な利益ではなく、本当に価値のある会社を作るために、正しい決断を積み重ねていきましょう!

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