企業型DC（確定拠出年金）を利用している方で、最近の株の急落に不安を感じている方も多いかと思います。
市場が大きく揺れ動いているときこそ、「長期投資・分散投資・積立投資」のメリットを理解し、冷静に対応することが重要です。
初心者が陥りやすいミス
資産運用初心者の方は、株価が下がると怖くなって資産運用をやめ、株価が上がってくると、まわりが儲けていることが気になり購入するという逆の行動をとってしまうことが多いです。
このような行動は、「高値で買って安値で売る」という最悪の投資戦略になりがちです。
- 感情に左右されない
投資の基本は感情に左右されないことです。
市場の短期的な変動に惑わされず、冷静に長期的な視点で資産運用を続けることが重要です。 - 計画的な投資
事前にしっかりとした投資計画を立て、その計画に従って投資を継続することが大切です。
市場が下落しても、計画に基づいて淡々と投資を続けることで、長期的にはプラスのリターンを得る可能性が高まります。
日本株の下落について
最近の日経平均株価の急落は、急速に進む円高や世界的な株安が主な原因です。
2024年8月2日の東京証券取引所は、前日比2216円63銭安の3万5809円70銭で終えました。
この下げ幅は1987年のブラックマンデー以来の史上2番目の大きなものとなります。
ネガティブなニュースを見聞きすると不安になる方が増える傾向にあるますが、企業型DCは、あくまでも老後の資産経営のためにあり、長期視点で冷静に対処することが必要です。
長期投資のメリット
- 市場の変動を乗り越える
株式市場は短期的には変動が激しいですが、長期的には成長傾向にあります。
過去のデータでも、市場は短期の下落を乗り越えて回復し、長期的にはプラスのリターンを提供してきました。 - 時間を味方に
長期投資では、時間を味方につけることができます。
長期的に保有することで、一時的な市場の混乱や下落の影響を軽減し、資産を増やすことが可能です。
分散投資のメリット
- リスクの軽減
異なる資産クラス（株式、債券、不動産など）や地域（国内外）に投資を分散することで、特定の資産や地域のリスクを軽減できます。
一部の投資が不調でも、他の投資がそれを補うことで、全体のリスクを抑えられます。 - 安定したリターン
分散投資により、異なる資産のリターンが相互に補完し合うため、投資全体のリターンをより安定させることができます。
これにより、大きな損失を避け、安定的な資産運用が可能になります。
積立投資のメリット
積立投資（ドルコスト平均法）は、定額を定期的に投資することで市場の変動に影響を受けにくくし、リスクを分散させる方法です。具体的な例を挙げて説明します。
具体例
ドルコスト平均法
例えば、毎月1万円を投資信託に投資するとしましょう。
- 1月：価格が1口1,000円の場合、10口購入
- 2月：価格が1口500円に下がった場合、20口購入
- 3月：価格が1口1,000円に戻った場合、10口購入
3ヶ月間の合計投資額は3万円ですが、購入した合計口数は40口です。これにより、平均購入価格は750円となり、価格が変動する中でも効率的に投資ができるのです。
結論
株式市場の変動や日本株の急落に不安を感じることもあるでしょう。
しかし、長期投資・分散投資・積立投資を活用することで、リスクを抑えながら資産を着実に増やすことが可能です。
市場の一時的な変動に左右されず、堅実な投資戦略を続けることが、将来の安心につながります。
これらのメリットを理解し、冷静な投資判断を行うことで、企業型DCを効果的に活用し、安心して資産運用を続けることができるでしょう。